分かち書きと大文字

「語」を再定義する。(ここで使われる用語の用法は一般的なものとは異なるので注意)
・語同士はスペースで分離する。
・語でない形態素は辞と呼ぶ。辞は必ず他の形態素と続けて書く。
・語か辞かは、句読点や息の切れ目の直前に立てるかや、体言の直後に立てるかなどを基準に判定する。


・一般的に「自立語」と呼ばれるものは語である。
・前後を句読点や息の切れ目で挟めるものは語である。
・複数語か一語かが問題になる形態素の組みに於いて、その形態素境界に他の語を挿入できれば、その境界を挟む形態素はそれぞれが語である。
・一般的に「付属語」と呼ばれるものの内、体言の直後に置けるものは語である。これを接語と呼ぶ。
・接語を除く「付属語」が用言の連体形(または同形の終止形)と接語との間に置かれている場合は(「置ける場合」ではない)、その文に於いてのみ語としても良い。
・上記以外の形態素は辞である。体言にしか接続できない形態素や接頭辞など。ただし、呼び掛けの「よ/や」は語とする。
・同じ語源を持つ形態素同士であっても、その用法に違いがあれば、各用法ごとにこの規則を適用する。
「自立語」や「付属語」の厳密な定義はここではしない。
参考: アクセント

これを: Kore vo
これは: Kore fa
これすら: Kore súra
これでも: Kore dé mo/Kore démo(「でも」の意味によって書き分け)
これから: Kore kara
するから: surúkara
するのに: surúnoni
なのに: nánoni
これよ: Kore jo
するよ(温和): surujo
するよ(反発): surújo/surú jo
するは: surúfa
するはよ: surúfa jo
すべし: subáysi
するべし: surubáysi
するべき: surubáyki
するべきだ: suru báyki da
緒花ちゃむ: Vóxana-tyam
抹茶さま: Mattya-sama
…とは~を言う: … tó fa ~ vo ifu
…とは~である: … tófa ~ de áru
誰か: Dáreka
誰(である)か: Dáre (de áru) ka
何か: Nánika
何(である)か: Náni (de áru) ka


形容動詞の見出し語部分はそれだけで語とする。これを仮に形容名詞と呼ぶ。ただし、「大きな」などの「な」を必ず伴うものではnaの直前にスペースを挟まない。
また、体言の直前にあってその体言を修飾しているものは、形容名詞ではなく体言として扱う。
体言が他の体言を修飾する場合はその二つの体言の間に「な」を挟めない。

綺麗な: kírei na
静かな: síduka na
ふらふらな: xuraxura na
大きな: ófokina
小さな: tífisana
をかしな: vokásina
大事な: daizí na >daizi-na
歴史的な仮名遣: rekisiteki na kanadúkafi
悠然と/悠然たる: iuzen to/iuzen t’áru
平然と/平然たる: xegzen to/xegzen t’áru
堂々と/たる/の: dagdag/dagdág to/t’áru/no
ゆっくりと: jukkúri to
ふらふらと: xúraxura to
cf.
歴史的仮名遣: Rekisiteki Kanadúkafi
最小限の被害: Saiséugen no xígai


サ行変格活用動詞「す/する」や「無い」と共に動作や状態を表すものの内、次の何れかに当てはまるものは語とするのが良いと思われる。この様な「す/する」は省略される場合もある。
・間に「を」や「が」を挿入することで体言化されるもの
・「す/する」を「致します」、「無い」を「御座いません」などと交換できるもの
・アクセント核を持つもの
ただし、競合する目的語や主語が節内にある場合を除く。

お送りする: ohokuri suru
お休みなさい: ojasumi nasái
感謝する: kámsya suru
機能する: kínog suru
御一緒する: gohitsyo suru
ゲットする: get(gétto) suru
得する: toku suru
値する: atafi suru
恋する: káwfuy suru/kawfuysúru
ゆっくりする: jukkúri suru
仕方無い: sikata nái
必要無い: xituheu nái
関係無い: kwankei nái
相違無い: sagvi nái
間違ひ無い: matigáfi nái
訳無い: vákay nái
cf.
愛す(四段活用): áisu
愛する: aisúru
罰する: batsúru
心無い: kokoronái
勿体無い: mottainái
味気無い: adukinaki >adikinaki >adikenái/adikaynái
やらうとする: jaráu to suru/jarauto suru


動詞連用形に直接接続する補助用言は辞である。ただし、動詞連用形に「て」がついたものやその音便形に接続する補助用言は語とする。

し始める: si-xazimáyru
読みなさい: jomi-nasái
し易い: si-jasúi
し辛い: si-durái
してゐる: site viru


動詞がその直前の助詞と共に一つの機能を担っている場合でも、別々のアクセント単位に属していると思われることや、通常の動詞との境界が曖昧なことから、全て二語として扱う。

を以って: vo mótte
をして: vo site
にあって: ni átte
に於いて: ni óite
に於ける: ni okeru
にとって: ni tótte
にあたって: ni atatte
について: ni túite
につれて: ni turete
にかけて: ni kákayte
にして: ni site
に因る: ni joru
に至る: ni itáru
に基く: ni motodúku
に渡る: ni vataru
に加へる: ni kufafayru
に関する: ni kwansúru
に対する: ni taisúru
に際する: ni saisúru
に即する: ni sokusúru
に応じる: ni ogziru
を通す: vo tófosu
を通じる: vo tugziru
とする: to suru


一語中にアクセント核が二つに成らない様に分かち書きをしても良い。
参考: アクセント

書いてゐない >書いてない: káite vinai >káitenai/káitenái/káite nái
書くべし: kákubaysi/káku báysi
書くべき: kákubayki/kákubáyki/káku báyki
書くべからず: kákubayk’árazu/káku bayk’árazu
cf.
書いてある: káite aru
書いて無い: káite nái
書くべきだ: káku bayki/báyki da
非常任理事国: Xizyagnim-rizíkoku/Xí Zyagnim-rizíkoku


文頭は常に大文字にする。
体言もドイツ語に倣いその頭を大文字にする。体言と非体言の複合語は、体言としての役割を維持していると見なせる限り、その頭を大文字にする。
ただし、次の場合は文頭以外では小文字で書く。
(1): 前の語句に制限修飾されているもの(対照的/一時的/個別的な修飾をされているものと考えるべきか)
(2): 体言性が弱いもの(他の品詞になったと解釈できるもの)
(3): 大文字によって目立たせる必要性が弱いもの
(2)の例:
・連体修飾語ではなく連用修飾語によって修飾されるもの
・主語や目的語にならないもの
※元々この規則は大文字が多くなり過ぎない様にする為のものであったが、文の構造がわかり易くなるという効果もあると思われる。
※連体修飾語が体言を修飾しつつ制限していない場合、その体言の後に「というもの」などを置くことで修飾の対象を「もの」に移すことができることから、非制限修飾は制限修飾よりも非修飾関係に近いと考えた。

下記の例文は現代仮名遣で書く。

公園まで歩き、そこで走ります。:
Kogven máde arúki, Soko de xasirimásu.
彼は頭の上に林檎を乗せています。:
Káre fa Atama-no ufáy ni Rimgo vo nosete vimásu.
俺はありゃ嘘だと思うぜ。:
Ore fa Arya Úsaw da to omófüze.
ついに犯人を逮捕。:
Túfini Xámnin vo táixo.
人間は考える葦である。:
Ningen fa kamgáfayru ási de áru.
彼は人間です。:
Káre fa Ningen désu.
日本史を中心に勉強する。:
Nixonsi vo tyugsim ni benkyag suru.
明日は三時に秋葉原でカキ氷を食べたいぞい:
Asitá fa Sámzi ni Akixábara de Kakigófori vo tabaytáizoi
彼は常に殺気立っている。:
Káre fa túne ni satkidátte viru.
まだ蟹を食べに行きはしない。:
Máda Kani vo tábay ni jukí fa sinai.
それはまだしないでおきましょっ。:
Sore fa máda sinái de okimasyot.
良い子は夜更かしせずに早く寝ましょう。:
Jói kaw fa jawxúkasi sézu ni xájaku nemaséu.
お金がありさえすれば。:
Okane ga ári safay suréba.
また明日お会いになるんですの?:
Mata asita ohafi ni náru n’ desuno?
そこに何で行くの?:
Soko ni Nán’ de(体言+de)/nánde(副詞) ikú no?
もう少しで完成するぜ。:
Mou sukáwsi de kwanseg suruze.
東欧を覆う鳳凰を追おう。:
Toghou vo ofofü xogvág vo ofáu.
あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~:
Aa^~ Kokoró ga pyónpyon surú n’ dyaa^~


体言に於ける複合語の内、アクセント核の移動が起きていないものに於いて、形態素境界で区切って読ませたいなら、そこにスペースを挟む。
この場合、スペースの前後それぞれを単独で体言とみなし、各語頭を大文字にする。
区切らずに読ませたい場合は繋げて書く(接語の直前や外来語を除き、アクセント単位の内部にスペースが挟まれることは無い)。
スペースで分割された複合語が上記(1)/(2)/(3)のどれかに当てはまる場合は、そこに含まれる語の語頭全てを小文字で書く。
ただし、体言が直前の他の体言によって制限修飾されているとしても、小文字化することは無い。
※スペースがあるからと言って読みに区切りがあるとは限らない。

秋晴れ: Akibare
携帯電話: Kweitai-dénva
渡邉隆之: Vatanabe Takájuki
去年の渡邉隆之: Kyónen no vatanabe takájuki
藤原定家: Xudifara no Tégka(筆者のアクセント)
少年時代の藤原定家: Seunen-zídai no xudifara no tégka
二千一年: Nisén Itínen
12月1日: Zifunigwatú Tuuytatí/Zifunigwatu-tuuytatí
29149回: Nimán Kiusén Xyakujónzifu Kiukwái
足利尊氏: Asikága Takáhudi(Asikaga-takáhudi)
徳川家康: Tokúgafa Ifejasu(Tokugafa-hiféjasu)
豊臣秀吉: Tojot’omi Xidejosi(Tojot’omi-xidéjosi)


次の3通りの分かち書きの仕方があるが、この内(b)と(c)の違いのみを以って文意を区別することはせず、基本的にはハイフンの使用を任意とし、ハイフンは読み易さや語構成明示の為の補助記号とする。
(a): スペースでの分離
(b): ハイフンでの分離
(c): スペースもハイフンもなし
ただし、形態素内にハイフンを挿入してはいけない。
また、「日本語史を利用した通常の綴りまたは音声転写」/外来形態素(他の方言も含む)/数字の3種はそれぞれ綴りの規則が異なるので、語中での規則の変わり目には必ずハイフンを挟む(ハイフンが使えない場合を除く)。
ハイフンの直前は語末ではなく、直後は語頭ではない。
(語末であるか否かが綴りの音価に影響を与える言語に於いては、ハイフンの直前を語末と同等の音価として扱う)

複合語同士が更に複合して一つのアクセント単位に成った場合、その境界にハイフンを挟むことを推奨する。
ただし、「前/鍋/魚」などの様に複合語であることが認識され難くなっているものもあるので、柔軟に対応して欲しい。

日本国語大辞典: Nixón Kokugo-daizíten
上代特殊仮名遣: Zyágdai Tokusyu-kanadúkafi
安土桃山時代: Áduti Momojama-zídai
総労働時間(「総労働+時間」ではなく「総時間+労働時間」と解釈): Sog-raudog-zíkan


句点には終止符「.」を、読点にはコンマ「,」を対応させる。
単鉤括弧には「« »」を、二重鉤括弧には「“ ”」を対応させているが、こうでなければならないという程の理由は無い。
引用符内の頭では、引用元ではなく引用先でのその引用された部分のあり方に応じて大文字を使う。

参考:
Quotation mark(Wikipedia)
SDNA ローカライズチームブログ


現在一般的には三桁ごとにコンマで数字を区切るが、特にそうする必要が無い場合は日本語の構造に合わせて四桁ごと(小数は二桁ごと)にスペースで区切ることを推奨する。

1,234,567,890円: 12 3456 7890-ven
cf.
12億3456万7890円: 12-hoku 3456-mán 7890-ven


ここに書いた規則通りに処理することが好ましく感じられない場合は、その感覚に従って欲しい。

ところで、大文字の用法を現行規則より強く修飾関係や句音調に関連付けても良いのかも知れない。西洋の言語の一般的な大文字の用法から逸脱しかねない様にも思えるが、文頭の大文字や現行規則での修飾関係から考えれば、さほどおかしくはないのかも知れない。これに関してはとりあえず保留しておく。
Xájaku site Kudasái.
Xájaku Site kudasái.

関連文献:
『点訳のしおり』 社会福祉法人 日本点字図書館


興味深いご意見:


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原則
直音
拗音
長音
促音
撥音
上代特殊仮名遣
アクセント
特殊な記号
アポストロフィ
外来音と外来語
Inglisc

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